はじめに
こんにちは。
ひつじです。
とうとう令和5年中小企業診断士2次試験の再現答案分析も最後となります。
最後トリを飾るのは、事例Ⅳ...。
思い出すだけで、当日の恐怖が蘇ってきます...。
R5事例Ⅳについての所感
事例Ⅳは一次試験における財務会計を主題とした試験。
事例Ⅲの運営管理と共に、事例Ⅳの財務会計も一次試験ギリギリ40点台で切り抜けたひつじとしては、超苦手意識がありました。
そもそも落ちたと思っていた1次試験。
そこから奇跡の合格を果たしたは良いものの、2次試験の対策はまるで皆無。
実際2次試験の問題自体、こんなのが出るらしいよ位しか掴んでおらず、最初に問題を見た時には、「絶対無理...。こんなの受かるわけがない。」と思いました。
しかしそうは言っても、折角頂いたチャンスを無駄にしたくはないので、予め購入だけはしていた30日完成をやり始めました。
とりあえず気合いで30日完成のところを時間がないので、1週間で1周しましたが、まあ出来ない。
諦めかけたその時、神が舞い降りました。
サン神様作成の
「事例Ⅳが好きになる攻略マスターガイド」
https://smri.official.ec/items/77834617
あれ、今気づいたけど、タイトル変わったんですね。
私の時は
「80点突破!事例Ⅳ攻略マスターガイド」
というタイトルでした。
そっか、事例Ⅳが好きになるか...。
ごめんなさい、サン神様。あたしゃ、やっぱり事例Ⅳだけは好きになれませんでした...。
いや、マスターガイドやってた時は、事例Ⅳにかすかな希望が芽生え、ちょっと好きになってましたよ。
がしかし、蓋を開けた本番、CVPもNPVも歯が立ちませんでした。
でもこれはあくまでタイムマネジメントの問題で、時間が120分だったら、もう少し戦えたはずなんです。
それぐらい、マスターガイドによって、戦闘力は付いてたはずです。
ちなみに、サン神様が事例Ⅳ過去問マスターガイドという新たな教材とそれにリンクする解説をYouTubeにて始めたようです。
「事例Ⅳが好きになる過去問マスターガイド」
https://smri.official.ec/items/85395282
「事例Ⅳマスターガイド〜中小企業診断士2次試験攻略チャンネル」
https://www.youtube.com/@user-xf7gf5wv6o
マスターガイドとこのYouTubeがあれば、戦闘力が爆上がり!!
今年度からの診断士受験生が羨ましいです。
本当マスターガイドが無かったら、とても戦えなかった。
サン神様には足向けて寝れません。
さて話を戻しますが、今になって思うのは、絶対外せない経営分析の検算をやり過ぎました。
多分3回は検算したはずです。
ひつじ的事例Ⅳの戦略として、まず40点以下となり、足切りになるのを回避する。
その為には、最初の経営分析と最後のポエムは絶対外さないというある種の誓約を行なっておりました。
そう、ハンターハンターのクラピカのように。
クラピカも自由気ままなその他のキャラクターよりは、大分慎重派。
しかしクラピカには緋の眼&エンペラータイムがありますが、ひつじにはそのような特殊スキルはありません...。
そんなわけで、緊張により、慎重に慎重を重ね、最長の時間を経営分析に掛けた結果、タイムアウトとなりました。
あとやはり2次試験一番最後に疲れた脳みそで事例Ⅳを解くのは、相当キツいです。
仮に事例Ⅳが事例Ⅱであるならば、もう少し戦えた気がします。(単なる負け惜しみ)
「事例Ⅳを制すものが、2次試験を制す」
と良く言われますが、
それと共に
「事例Ⅳには魔物が住んでいる」
という事を、声を大にして言いたいと思います。
出題の趣旨と再現答案(事例Ⅳ)
そんなわけで、R52次試験の出題趣旨と再現答案の比較(事例Ⅳ)をやっていきたいと思います。
事例Ⅰはこちら
事例Ⅱはこちら
事例Ⅲはこちら
出題趣旨はこちら
https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/010_c_r05_shiken/R05_2ji_shushi.html
問1
(設問1)D社の2期間の財務諸表を用いて経営分析を行い、令和3年度と比較して悪化したと考えられる財務指標を2つ、改善したと考えられる財務指標を1つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、令和4年度の財務指標の値を(b欄)に記入せよ。解答に当たっては、(b欄)の値は小数点第3位を四捨五入して、小数点台2位まで表示すること。また、(b)欄のカッコ内に単位を明記すること。
【出題趣旨】
D 社の財務諸表を用いて、診断及び助言の基礎となる財務指標を算出する能力を問う問題である。
【ひつじ再現答案】
流動比率 433.64(%)(改善)
売上高営業利益率 11.59(%)(悪化)
一人当たり売上高 146706.71(千円)(悪化)
絶対に落とせない経営分析問題。
が故に慎重に慎重を重ね、時間をロス。
作戦では15分以内に全ての解答を終える予定が、何度も検算し、余裕で予定時間を超過。
サン神様直伝の解答テクニック
「リトジ ソエケ タユセ」で答える。
「リ」は流動比率「ト」は当座比率「ジ」は自己資本比率で安全性
「ソ」は売上総利益率「エ」は売上営業利益率「ケ」は売上経常利益率で収益性
「タ」は棚卸資産回転率「ユ」は有形固定資産回転率「セ」は生産性(一人当たり売上高)で効率性
この中に答えはあるはずなのだが、試験には魔物が潜む。
流動比率と売上高営業利益率に関しては、与件文の内容とハマるので問題無し。
しかしあと一つ効率性の指標がしっくりこない。
確かに有形固定資産回転率も悪化しているが、与件文との兼ね合いがどうにも付けられない。
有形固定資産に関しては、前年度より減少しており、悪化の理由はあくまで売上高の減少。
それは既に収益性で示しているはず。
そんな中、与件文に一応書いてある従業員数を基に、一人当たり売上高を算出してみると、見事に悪化している。
与件文にも、「将来の成長を見込んで、当面の人件費等の削減は行わない方針」と書かれている。
もちろん前年度との従業員数の変動は与件文には書いていないので、与件文に書いてある従業員数で算出してしまうのも疑問点が残る。
ただここで頭をよぎったのは、色んなところで、今年も生産性の指標が出るかもしれないという根も葉もない噂。
そう、R4の経営分析では、生産性(一人当たり売上高)が解答として有効であった。
2年連続は流石に出ないだろうが、生産性や付加価値が求められている昨今。
あるかもしれない。いや与件文との整合性を考えると、間違いなくそうだ。
そして結果一人当たり売上高を書きました。
ええ、超少数派の解答でした。
試験後、色んな情報を見聞きした結果、有形固定資産回転率の解答割合が高いこと高いこと。
各予備校の模範解答でも、一人あたり売上高の解答をした所はないんじゃないかと思います。(あったらごめんなさい。)
あっ、こりゃやらかしたと思いました。
ただ結果的に、事例Ⅳの総得点を考えると、おそらく一人当たり売上高でも、点数は入ったのではないかと思います。
(設問2)設問1で解答した悪化したと考えられる2つの財務指標のうちの1つを取り上げ、悪化した原因を80字以内で述べよ。
【出題趣旨】
設問 1 で算出した財務指標をもとに、D 社の財務的問題点とその要因を分析する能力を問う問題である。
【ひつじ再現答案】
売上が低下したが、人件費維持やコスト高騰等により販管費の減少割合が低く、売上高営業利益率が下がり、収益性が悪化した。
これはもう与件文から人件費維持、コスト高騰等原因部分を引っ張ってきて、設問1の解答に結び付けただけです。
問2
(設問1)D社の2期間の財務データからCVP分析を行い、D社のCVP分析を行い、D社の収益性の分析を行う。
【出題趣旨】D 社の 2 期間の財務データをもとに原価分解(予測)を行い、損益分岐点売上高を算出したうえで、2 期間で損益分岐点比率がどれだけ変動したかを算出する能力を問う問題である。
【ひつじ再現答案】
(1)変動費率 77.27%
(2)固定費 未解答
(3)損益分岐点売上高 未解答
(4)損益分岐点比率 未解答
試験前に30日完成とマスターガイドをそれぞれ2周やり、CVPに関してはそこそこ戦えると思っておりましたが、いやはやとんでもない。
2期間なので、連立方程式を立てることには気付きました。これだけでも私にとっては大きな成長。
がしかし、問題文の書き方がややこしい。
「原価予測は営業利益の段階まで行い、2期間の変動率は一定と仮定する。」
「変動費率は小数点第3位を四捨五入して、小数点第2位まで表示すること。また固定費及び損益分岐点売上高は、小数点第2位まで表示した変動率で計算し、一千円未満は四捨五入して表示すること。」
今こうやって冷静に抜き出せば、まあ言っていることは分かります。
しかし事例Ⅲまでの間に、既に脳はお疲れ状態。そしてもちろん試験の緊張状態。さらに苦手な事例Ⅳ。
完全にメダパニ状態に陥りました。
そもそもの時点で、「原価予測は営業利益の段階で行い」という条件をすっ飛ばし、利益の数字を当期純利益で計算するという大間違いを起こし、変動費率が違う。更に連立方程式に当てはめるも、固定費が違う。
はー、あの勉強の苦労は何だったのかと思う、ダメっぷり。
ちなみに、今これを書きながら、再度解いてみたら、普通に解けました。
もうね、事例Ⅳ最大の敵は、試験の緊張と問題文の日本語のまどろっこしい書き方と脳のスタミナ切れです。
(設問2)D社のサプリメントの製品系列では、W製品、X製品、Y製品の3種類の製品を扱っている。各製品別の損益状況を損益計算書の形式で示すと、次の通りである。ここで、この3製品のうち、X製品は営業利益が赤字に陥っているので、その販売を中止すべきかどうか検討している。
X製品の販売を中止してもX製品に代わる有利な取扱製品はないが、その場合にはX製品の販売によってX製品の個別固定費80%が回避可能であるとともに、X製品と部分的に重複した効能を有するY製品に一部需要が移動すると予想される。
(1)このとき、X製品の販売を中止すべきか否かについて、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して答えるとともに、20字以内で理由を説明せよ。更に(2)X製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計2500万円を下回らないためには、需要の移動によるY製品の売上高の増加額は最低いくら必要か。計算過程を示して答えよ。なお、割り切れない場合には、万円未満を四捨五入すること。
【出題趣旨】
D 社が扱っている製品について、生産・販売中止の可否の意思決定の知識を用いて、的確な意思決定を行う能力を問う問題である。
【ひつじ再現答案」
(1)ない
貢献利益が5000プラスの為継続する
セールスミックスの問題です。
一先ず売るか売らないかは、貢献利益がプラスかどうか。
そして問題文の「このとき」が正誤表により、「需要の移動がないとき」に改められた。
てことは、まずは単純にX製品を売るのをやめたらどうなるかの視点で解けば良いと解釈しました。
なので、売上100000ー変動費80000ー個別固定費15000=貢献利益5000として、
貢献利益が5000プラスのため、売りましょうという解答です。
(2)20000(千円)
どうゆう計算式で導き出したかは、正直忘れました。多分計算過程も書かなかった気がします。いや、書いたのかな!?
とにかく全く覚えておりませんが、20000というキリの良い数字を解答に書いたことだけは覚えてます。
多分この20000を書けた事により、大火傷を負わずに済んだのではないかと思ってます。
そして未だに設問のこちらの文章
「X製品の販売によってX製品の個別固定費80%が回避可能であるとともに」
の意味がよう分からん。X製品を売らない前提の問題で、X製品を販売すると、80%の個別固定費が回避可能ってどうゆうこと!?
この辺りが分からないにも関わらず、20000を導き出せたのは、奇跡に近いと思っております。
(設問3)D社では、売上高を基準に共通費を製品別に配賦している。この会計処理の妥当性について、あなたの考えを80字以内で述べよ。
【出題趣旨】
共通費の配賦を売上高で行う場合の会計情報の有用性について、的確な理解を問う問題である。
【ひつじ再現答案】
限界利益率W30%X20%Y40%貢献利益率W17.7%X5%Y25%であり、売上高を基準に配賦を行うのは妥当性に欠ける。
何を血迷ったか、時間をかけて限界利益率と貢献利益率を計算するという始末。
活動基準原価計算なんて言葉は思いつきもしませんでした。
とにかく売上高を基準に配賦を行うのは、妥当性に欠けるよねってことを書いて、理由も大きく外してなければ、点数はくれたはず。
第3問 NPV
もう問題文も書くのが嫌なNPV。解答もほぼ書いておらず、計算過程に減価償却費と「ある」か「ない」かを書いただけ。
期待値計算しなければならない等、何となく解き方の大筋は見えてましたが、とにかく時間がない。第1問と第2問に時間を使い過ぎました。NPVはできる可能性も僅かと思ってたので、最後に解くと決めてましたが、取り掛かれたのが、試験終了10分前くらいだったと思います。
到底時間が足りない...。
設問2に関しては、本当に適当に答えました。「NPVが正となるため、投資するべきである」とか書いたけど、全然問題の趣旨に沿ってない。ただとにかくマス目を埋めた事により、答案の見栄えは良くなったと自負しております。(笑)
第4問
(設問1)D社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM生産によって委託先に製品の生産を委託している。OEM生産の財務的利点について50文字以内で述べよ。
【出題趣旨】OEM 生産の財務的特性について問う問題である。
【ひつじ再現答案】有形固定資産への投資や経費が掛からない事により、収益性と安全性が高くなる。
(設問2)D社が新たに製品分野として男性向けアンチエイジング製品を開発し販売することは、財務的にどのような利点があるかについて50文字以内で述べよ。
【出題趣旨】D 社について、新たな製品分野に進出する財務的利点について問う問題である。
【ひつじ再現答案】多角化戦略による販路拡大と売上向上により、収益性安全性が高くなり、経営リスクが下がる。
皆さん、ポエムの時間です。
事例Ⅳのポエムは絶対に落としてはならない。
ましてやCVPとNPV等計算問題系が不得意なひつじにとっては、尚更間違えられない問題です。
正直な所、予備校の答えや、他の受験生の再現答案も、千差万別で、自分の解答が合ってるかは分かりませんが、得点結果を見る限り、大幅に外したりはしてないはずです。
まとめ
そんなわけで、R52次試験事例Ⅳの再現答案分析終了。
結果的に足切り回避を目標としていた事例Ⅳでしたが、点数的にはまさかまさかの57点と、あと3点でA判定に行けたという、私的には奇跡的な点数でした。
だってCVPとNPVほとんど解けてないんですよ。
なので、経営分析とセールスミックス、そしてポエムだけで、半分以上は得点できたということになります。
NPVもあるかないかの2択に正解したのも大きいかもしれません。
なので、もしNPVが正確に解けなかったとしても、途中式で減価償却を書いたり、「ある」「なし」問題なら、解答だけは必ずしておくのはとっても大事なんだと思います。
時間が足りなかったり、計算が間違ってたりしても、採点者の方に、解き方は何となく分かっている旨を、解答用紙を通して伝えることにより、今までの勉強に対する熱意を感じ取ってもらう。
なのでできる限り間違ってても良いので、解答欄は諦めずに埋めましょう。
これでR52次試験の再現答案分析も終了となります。
ブログを書くのも時間が掛かりましたが、自分にとっても試験を振り返ることが出来、とても勉強になりました!
そして自分のやってきた2次試験の勉強方法が、あながち間違ってなかったという確信も得ることが出来ました。
この振り返りを踏まえて、今度は2次試験の勉強方法についても書いていきたいと思います。
少しでも時間のない診断士受験生の参考になるようなものを書ければと思います。
それではまた!