初めに
皆さんこんにちは。
ひつじです。
R6の中小企業診断士1次試験直前期となってまいりました。
そんな中、前年R5の一次試験の備忘録を今更ながら書きたいと思います。
1年経過して備忘録って成立するの!?
という疑問もありますが、相当なビックイベントだった為、中々鮮明に覚えております。
私の一次試験はまさに絶望そして死の淵から帰還した記録となっております。
全て読み終えた後に、
「こんなこともあるから、最後まで諦めない。」
という気持ちを持っていただければ幸いです。
8000字以上ありますので、ご注意を。
それでは本編へどうぞ!
試験前日〜当日試験開始まで
2023年8月4日。
中小企業診断士一次試験前日。
万全の状態で試験を受けるために、前乗りで池袋に宿泊。
試験会場は茗荷谷の拓殖大学。
受験票が届いた段階で、「えっどこ?これなんて地名。」とそんなレベルの受験生。
宿の手配も、コロナ明けインバウンド需要にて、まあ宿泊費が高く苦労しました。
ようやく取れた宿は、池袋西口歓楽街を抜けた先にあるホテル。
池袋ウエストゲートパークが大好きだった私としては、
街を歩いているだけで、なんかワクワクでした。
ホテルに荷物をおいて、明日の会場を視察するために、一路茗荷谷へ。
駅から試験会場までのルートを確認。
徒歩でそんなに時間もかからず行けて一安心。
遠くから少し眺めて、即池袋へ戻り、遅めの昼食。
美味しいうどんだったはずですが、会場を見て、すでに緊張状態に突入し、
全く味は覚えておりません。
そこからはホテルに戻り、缶詰状態。
狭いが綺麗なホテルで良かったのですが、テーブルが小さくて勉強がしにくい。
それでも未だ中小企業経営・中小企業政策の勉強が終わっておらず、インプット、アウトプットをとにかく繰り返しました。
ハッと気付くと、既に午前0時を超えており、試験当日に。
「やばい、そろそろ寝なければ。」
と思い、電気を消して布団に入るも、全く寝れない。
そう、結果的に申し上げますと、私の前泊作戦は完全に失敗でした。
私ひつじは枕が変わると中々寝れないタイプの人間です。
今回はそこに試験前の緊張や、勉強による脳みそ覚醒状態がプラスされ、一向に寝れる気配がない。
それでも目を閉じ、時々はウトウトと、寝ているのか、寝ていないのか分からない状態のまま、時間が過ぎていく。
時計を見ると、午前4時。
「どうせ寝れないなら、勉強しよう。」
そこから持参した教材をあてもなく見始める。
ただあまり頭は働いていない。
それでも不安を払拭するために、勉強をし続けて、あっという間に午前8時に。
前日に買ったおにぎりを食べるも、緊張からか味も感じない。
それでも無理くり押し込んで、どうにかホテルを出発し、一路試験会場へ。
まだ9時前なのに、夏の日差しが寝不足の身体を痛めつけるし、さすが東京池袋はそんな時間でも人が多い。
それを癒すかのように、サンボマスターの「できっこないをやらなくちゃ」を聞いて、
元気をもらう。
本当にこの曲には救われました。
無事会場に到着し、試験会場の教室へ。
着座し、目を閉じ、心を落ち着かせる。
そしてまさかの今更訪れる眠気。前泊で万全のはずが裏目に。
そんな中で、中小企業診断士1次試験スタート。
1日目午前
【1日目 9:50〜10:50 経済学・経済政策】
どちらかというと苦手だった経済学。
勉強始めの頃は、全く意味不明。
YouTubeで「はじめよう経済学」を見たり、曲線グラフを手書きで何度も書いてみたりして、なんとか解ける問題が増え、
極め付けは診断士界隈の神様サンさんの直前の統計グラフのセミナーに参加し、初っ端必ず出る統計グラフの問題にも対応できるようになり、
直前の過去問でも70点超えしており、ちょっと自信がありました。
がしかし、初っ端の統計グラフ問題は、サン神様のご利益で突破できたものの、他の問題は解いてても全く手応えなし。
その原因は、正誤問題の選択肢が過去問より難しく、3〜5個の文章の正誤について、5択の選択肢から答えなければならず、大体残り2択の正誤に確証が完璧に得られない問題ばかり。
とりあえず全てマークはしたものの、出来たのか出来てないのか分からない非常に悩ましい状況で、1教科目を終えてしまいました。
如何に自分が過去問基準で出来た出来ないを判断しており、そもそも必要な各教科の主要論点や知識についてはまだまだ浅く、選択肢の具合によって、難易度がもの凄い落差で上下する状態だったんだと今は思います。やはり各教科主要論点や知識については、どの角度から問われても、分かるような本質の理解が必要だと感じました。
【1日目 11:30〜12:30 財務・会計】
私の中で最大の壁だった財務・会計。超苦手。いくらやっても出来ない。
とにかくこの教科で足切りにならないようにするのが目標でした。
しかしそれ以前に私には戦わないといけない相手がいました。
そう、寝不足です。
既に1教科目の経済学でかなりの体力を奪われ、その上で苦手な教科。
全く頭が回らない。簡単な計算もすぐに導き出せない。
もう途中で泣きそうになりました。
「あー、終わった。もう足切り確定だ。」
試験時間残り1分でまだマークできてない部分が3問あり、1問はなんとなく当たりをつけていた為、それをマークし、
残り2問は完全に勘で塗り潰して、終了時間を迎えました。
その為勘で選択した部分については、問題用紙に選んだものを記録することも出来ず、どれをマークしたかも分からない状態でした。
【お昼休み】
財務・会計の失敗で、相当落ち込んでました。
「この半年の頑張り全て無駄になった。もう帰りたい。」
どうせ緊張で食べれないだろうからと思い、昼は行きのコンビニで買ったカロリーメイトをかじりながら、後悔の念ばかりが溢れてきました。
ひつじ妻にLINEで報告。
「ごめん。全然出来なかった。足切り間違いなし。もう無理だ。」
ピコン、返信がすぐ返ってきた。
「いや、まだ確定してないでしょ。頑張ってたのは私も子供達も分かっているから、とにかく最後までやり切って!」
ひつじ妻には従順なひつじなもんで、このLINEで最後までとにかくやりきろうという新たなマインドセット完了。
こうなりゃ、合格は無理でも、できるだけ科目合格を勝ち取って、来年に繋げるぞという新たな目標を胸に、午後に突入しました。
1日目午後
【1日目 13:30〜15:00 企業経営理論】
7教科という幅広い一次試験の中で、一番自信のあった企業経営理論。
私ひつじは、基本的に勉強嫌い苦手なんですが、本(漫画以外)は好きなだけ買ってやるという子供の頃からの父親の教育方針(!?)があり、
その影響からか現代国語という教科だけは得意で、大学受験の際に、他の教科の偏差値は40〜50台なのに、現国だけは68という、
父親の差別化集中戦略が炸裂していた人物です。
そして企業経営理論の勉強や過去問を解くにつれ、「これ、現国のスキルでいけるんじゃない!?」ということに気付きました。
最悪理論自体知らなくても、問題と解答の選択肢から答えが分かると。
そんなわけで、企業経営理論は今回の試験の中で、初めて終わった瞬間に、100%6割取れてるし、下手すると7割以上取れていると確信出来た教科でした。
妻のLINEと得意の企業経営理論で、崩壊しかけた精神を持ち直すことが出来た次第であります。
【1日目 15:40〜17:10 運営管理】
財務・会計の次に苦手な運営管理。製造業で働いたことのないひつじにとっては、最初全くわからないことだらけ。
特にアローダイアグラムには苦しめられて、いくら頑張っても上手い事書けないし、分からない。
今日はアローダイアグラムを極めると、1日ひたすらアローダイアグラムを勉強する日を設けるも、結局理解ができなくて分からない。
だから出るな出るなと願っていると、やっぱり出ましたアローダイアグラム....。(笑)
元々得点への期待はなく、財務会計と同じく、とにかく足切りだけは回避しようと思ってたので、
その目標だけはクリア出来たかなという程度の感触でした。
あっ、ちなみにアローダイアグラムの問題は、奇跡的に正解しておりました!(笑)
1日目夜
寝不足&試験疲れでヘロヘロの状態で池袋に戻り、ホテルまでの途中にあった油そば屋で夕食。
財務・会計で絶望の淵に落とされ、そこから気を取り直してどうにか1日を終えた体に染み渡る油そば。
久々にキチンと味を感じた食事でした。
そして途中コンビニに寄り、ビールとレモンサワーを買い込み、ホテルで晩酌。
ええ、もうこの時は合格は半ば諦めてたので、酒飲んで、早く寝て、2日目に備えようという作戦です。
2日目の教科の復習をしながら酒を飲み、いい感じに酔っ払い、就寝。
がしかし、またしても4時に目が覚めてしまい、そこからまた復習をして、出発までの時間を潰しました。
2日目
【2日目 9:50〜10:50 経営法務】
早めに起床してしまいましたが、睡眠の質は良かったようで、1日目とは打って変わり元気。
合格を諦めて、科目合格狙いに切り替えていたのもあって、精神的にも気が楽でした。
ただ経営法務も苦手教科。(苦手ばっかり...。)
どうせ出来ないだろうと思ってたら、どうやら軟化したようで、意外にもスルスルと問題が解ける。
「あれ、これ財務・会計が足切りじゃなければ、首の皮一枚つながるんじゃない!?」
新たな希望が芽生えました。
【2日目 11:30〜12:30 経営情報システム】
経営法務が出来たことにより、新たな希望が芽生えたひつじさん。
そして経営情報システムは、比較的得意分野で、過去問やスタディングの模試でも70点以上取れていました。
そのため、ここで頑張って70点越えして、財務・会計の足切りが回避できれば、ワンチャンあるんじゃない!?と思い、
期待を込めて問題に取り掛かったところ...
撃沈です。
見るも無惨な結果でした。
見たこと聞いたこともない言葉ばかりで、確実に正解したと思える問題はほぼ皆無。
微かに芽生えた希望を、ごっそりと刈り取られました。
それでも不思議と1日目の財務・会計が終わった時ほどの絶望感は無かったのは、今でも不思議です。
一度吹っ切れた人間は強いと改めて思いました。
【2日目 中小企業経営・中小企業政策】
試験直前1週間前からほぼ勉強を始めた教科。
教科の特性から、ほぼ過去問が役に立たないので、ひたすらテキストの読み込みと予想問題を繰り返していました。
ただコロナが中小企業白書に大きな影響を与えており、そのあたりを踏まえた上で考えてみると、
結構解ける問題が多い印象で、実際の本試験も比較的解けた印象でした。
なぜそうゆう結果になるのか、後ろのストーリーを考えるのがコツです。
6割くらい取れたんじゃないかなと思えた教科でした。
そんなこんなで、2日間に渡る1次試験終了。
帰還
精神的にも肉体的にもジェットコースターに乗ったような2日間。
家に帰り、妻と子供達が笑顔で「お疲れ様!」と出迎えてくれた時には、終わった安堵からか、少し泣きました。
各予備校から解答速報が出ているのは知っていましたが、とても自己採点する気持ちは起きず、
とにかく無事に終わったことを噛み締めながら、お疲れ様会を自宅で開催。
すき焼き、お刺身、ビール!!
試験の終わった解放感を得ながら飲むビールはとにかく美味しかったです!
自己採点
試験終了翌日。
公式の解答発表がなされたので、自己採点。
どの教科からやろうか迷いましたが、まずは財務会計からやることにしました。
ここで足切りじゃなければ、ワンチャンあるかもしれない。
恐る恐る採点すると、44点!!
奇跡的に足切りを免れてました!!!
一気に視界が開けました。
もしかしたらあるかもしれない。いけるかもしれないと。
そして次に自信のあった企業経営理論と経営法務を採点すると、
企業経営理論 71点
経営法務 68点
やばい、この二つで、財務会計を補えているじゃないか!?
そして経営情報システムと中小企業経営・中小企業政策を採点。
経営情報システム 44点
中小企業経営・中小企業政策 63点
あかん、やっぱり情報難しすぎた。でもまだ首の皮一枚つながっている。
残る経済学と運営管理、どっちからやるか。多少出来たかもしれない経済学をチョイス。
経済学・経済政策 72点
経済学がまさかの70点越え。これはやばい。いったかもしれん。ここまでで、トータル362点。
てことは、運営管理が58点を超えれば合格。
運営管理の自己採点中は心臓バクバク、手がプルプル震えていました。
そして採点結果...
運営管理 47点
7教科トータル409点
燃えた、燃え尽きた。
あかんかった。ダメだった。
そこから止めどなく涙が溢れてきました。
勉強苦手嫌いな私が、人生で一番勉強をしたつもりでしたが、届かなかった。
紛れもない悔し涙。
一人部屋で嗚咽しました。
しばらくして、少し落ち着きを取り戻し、改めて考えてみると、
約半年で、合格に残り11点まで迫り、4教科科目合格出来たなら、
それはそれで頑張った証だし、来年は絶対いけるんじゃないかという思いに切り替わりました。
まあ今思うと、自分自身を持ち直すための無理くりポジティブシンキング以外の何物でもありませんが。
そんなわけで、1次試験不合格、4教科科目合格でR5診断士試験は終了!と思っていました。
合格発表
2023年9月5日 中小企業診断士1次試験合格発表
当然落ちていたと思っていたので、試験後は子供達が夏休みだったのもあり、しばらく旅行(車とフェリーで北海道まで行きました)したり、
とにかく私の勉強で色々と我慢をしてもらっていた妻や子供達に報いるような生活をしてましたし、それが何より傷心していた私自身の癒しでもありました。
それでもやっぱり悔しかったので、来年の1次の為に応用情報技術者の参考書を見始めたりして、勉強嫌い苦手な自分が、いつの間にか診断士試験のお陰で勉強が苦ではなくなり、そして何より診断士になりたい気持ちの強さにも改めて気付くことができました。
そんな中での合格発表。
ドキドキもあまりせず、科目合格だけキチンとしているか確認しようという感じでした。
ひつじ妻立ち会いの下、まずは一応7科目合格者の番号を確認。
当然番号はない。そりゃそうだよね。
さあ、じゃあ一番自信のある企業経営理論から科目合格の確認をするかということで、
番号を確認するも見当たらない。
「えっ嘘でしょ!?」
この時点で半泣きの状態。
諦めずに自己採点で60点を超えていた経営法務、中小企業経営・政策、経済学を見るも、番号がない。
「なんでや。俺、ひょっとして名前書き忘れたり、受験番号間違えたりしたのか。」と思い込み、メンタル崩壊。
ひつじ妻に「ごめんな。情けない夫で本当ごめんな。」と謝りながら大号泣。
「いや、そんなわけないでしょ。もう一回最初から見てごらん。」
ひつじ妻の冷静な助言に促され、もう一度自信のあった企業経営理論のページを見るも、やはり無い。
「やっぱりない。あかんかった。ほんまにすまない。」引き続き大号泣。
ひつじ妻「これってさあ、全部合格してても、科目合格に番号あるもんなの?」
「...それは知らん。」
ひつじ妻「もう一回全部の合格のところ見てごらんよ。(ニヤっ)」
再度促され、一次合格者の番号を確認。
この時、初めて受験番号が横並びで並んでいることに気付き、最初の段階では縦読みで探してたことが判明。
恐る恐る探していると...
「えっ、嘘、番号がある、合格してる、なんで、嘘、うぉーーーやったー、やったぞー!!!」
隣三軒に響き渡るほどの叫び声を上げ、絶望の涙から喜びの涙へ。
人生で3本の指に入るほどの喜びでした。
ひつじ妻「だから言ったじゃん。おめでとう!」
そこからはひつじ妻に抱きつき、号泣しながら、歓喜の雄叫びをしばらく上げ続けました。
少し落ち着いてから、なんでそんなに冷静だったのかをひつじ妻に聞いてみたところ、
「診断士試験を受けると聞いた時から、なんかひつじは絶対受かると思ってたんだよね。」と。
全くもって根拠のない答えでしたが、信じる心の強さを感じました。ひつじ妻マジで神です。
さて、少し落ち着き、次は11点も足りない状態から何故受かったのかという疑問が湧いてきました。
合格発表と共に発表される没問があり、まずそこで運営管理に+2点。
再度自己採点をした結果、中小企業経営・政策に間違いがあり+2点。
そして財務会計の残り1分で適当にマークした2問がどちらも正解していたらしく、
それを合わせると、
421点になり、確かに合格する形となります。
適当に選んだマークの解答がそれぞれ4択だったので、1/16を見事に引き当てたという形です。
まさに土壇場での強運、奇跡としか言いようがない合格でした。
終わりに
そんなわけで、ひつじのR5中小企業診断士1次試験備忘録は終了となります。
最後まで諦めなければ、夢は叶う。
最後まで諦めなければ、運命の神様は微笑む。
最後まで諦めなければ、奇跡は起こる。
よく聞くけれど、ホントなの!?
と思う方も多いかと思いますが、
ここまで読んでいただいた方には、現実に起こり得ることだと言うことがお分かり頂けたかと思います。
私は診断士試験を通して、諦めない心の大切さと、それにより引き寄せられる運というものを教えてもらいました。
今回の一次試験のお話を他の方にお話すると、「運も実力のうち」という言葉がほぼ毎回頂きます。
その通りだと思います。
頑張って諦めずに勉強して、ある程度の実力がついて、残り少しのところを運でカバーする。
そしてその運は諦めない心が引き寄せる。
どっかの自己啓発本に書いてありそうな文章ですが、紛れもない事実です。
地獄と天国を行ったり来たりするような、ジェットコースターのような1次試験でしたが、
無事に乗り越えることができました。
しかしすぐさま再び地獄に舞い戻ることになります。
何せ落ちたと思っていたもんで、2次試験の勉強を一切やっていなかったんですから...。
2次試験をどうやって乗り越えたかは、再現答案分析のブログで色々と書いておりますが、
勉強方法については、また別のブログで書きたいと思います。
最後に診断士1次試験を受ける方々へ。
今日まで勉強を頑張ってきたことは、とても素晴らしいことで、誰もが真似できることではありません。
自分のやってきたことに自信を持って、最後まで諦めないでください。
そうすれば奇跡が起き、運命の女神が微笑み、夢が叶います。
そして私のように環境変化に弱い方は、前泊はやめておきましょう。(笑)
診断士受験生の皆さん、頑張れ!!!!!!!!!!!
それではまた!